この記事は金沢プレイルームが会員様向けに発行する「アトリエ通信2020年10月号」からの転載です。
振り子の描画
和久洋三の童具のなかに“ケルンボール”というものがあります。
すでにお持ちだったり絵本館の童具売り場で見たり、カタログ等でご存じのことと思いますが、赤ちゃんに一番最初に贈ってあげたい、ベッドに吊り下げるメリーゴーランドのような球の童具です。
今回ははじめにこれをアトリエのクラス3歳から小学生の子ども達の前で回してみました。
電気じかけではなく、人の手でひもをねじって回転させると、丸く連なって下がったボールが遠心力で広がって、残像は大きな輪になり、小さな輪になってすぼみます。
「赤ちゃんがこうやって下から見るのよ」とやってみせると屈んで見上げてみて「わあきれい!」といろんな年齢の子どもたちが声をあげ、「やってみたい」とかわるがわるに回してみる。なかなかにたのしそうです。
それから球を一つ二つと取り外してみて引っ張りっこやカチカチ遊びをやってみた後、次の活動のためにタコ糸に括り付けたままボールをたくさんだします。
天井に渡した鎖にそのひも付きボールをながくぶら下げ、揺らしてみよう、間をぶつからないように潜り抜けてみよううまく引っ掛けるように投げてみよう。たくさんぶらさがるとアトリエの一角はまるでボールの星の浮かぶ宇宙のような空間になりました。
これだけでも楽しかったのですが、今度はボールはそのままに、ボールといっしょにコップもぶら下げ、溶いた絵具を点々と垂らしながら絵具の重みと遠心力で床に敷いた大きな紙の上に放物線を描きました。振り子の描画です。
大きく揺れる振り子の線は、行って戻りしながら少しずつ加わる回転で重なる楕円の花びらのようになっていきます。
子供の中には「アトムみたいだね!」とう感想が出る子もいました。科学の本やテレビなどで見たことがある原子の動きの図が思い浮かびました。(そう書いたら後で別の話だよ!と訂正をもらってしまいました)
ロボット作り
大きめの木材にねじやナットで腕を取り付けたロボット作りをしました。
ロボットって何だろう?手や足はどんなふうについているだろう?顔はどうしよう?
今回は年少のクラスでは動物型のロボット、小学生など年長のクラスではヒト型の設計図や見本をもとに2足で立って腕と顔がついたロボットを作ります。首もねじで回すことができます。
どの木材を選ぶか、腕はどの位置につけるといいのか、機械部品を選んだり、ドライバーで力を入れて木ねじを回して取り付けるのも大仕事です!
力のいるところ、微妙な取り付け位置の部分など、時には先生も手を貸しますが、ハンマーで打ち付けて作ったり、最後の締め付けのところを任せれば、それぞれの子が自分のできることをしっかりとやり遂げました。